デザインは売上に影響するのか?
データから見えた「選ばれるWEBサイト」の条件
WEBサイトを作るとき、次のような発言や考え方に遭遇することがあります。
- 「まずは内容が大事」
- 「デザインは後から整えればいい」
- 「見た目よりSEOが優先」
当然、どれも間違いではないのですが、いざWEBサイトを作る段階では優先順位をつけておく必要があります。その時に念頭に置いておく必要があることがあります。
それは、実際のユーザー行動は、とてもシビアだということです。 多くの人は、ページを開いた瞬間に、そのWEBサイトの内容を「読むかどうか」を判断しています。 つまりデザインに求められるのは、単なる見た目ではなく、
“読もうという気にさせるかどうか”
なのです。
求められるデザインの「質」
先日、以下の記事を読む機会がありました。
「デザインの質」が男性の購買判断を左右?年代別で異なる意識を調査。Ryuki Designが明らかにしたデザインの影響力とは
https://newscast.jp/smart/news/1361249
この調査では、全国の20〜69歳の男性100名を対象に、
「インターネットで商品やサービスを選ぶ際、ページのデザインの質は判断材料になるか?」
というアンケートを実施しています。
結果として、
- 「デザインの良し悪しで判断することが多い」
- 「ある程度は気にするが、内容の方が重要」
と回答した人を合わせると、約4割以上が“デザインを判断材料として見ている”ことが分かりました。 さらに興味深かったのが、年代による違いです。 20代では「デザインはそこまで重視しない」という意見も一定数ある一方で、40代以降では「見やすさ」や「安心感」を重視する傾向が強く見られました。
つまり、WEBサイトの利用者はデザインを重視するが、そこで重視されているのは
「綺麗かどうか」ではなく、“信頼できるか・ストレスなく内容を読むことができるか”
ということです。
そこで今回は、
- なぜデザインが売上や反応率に影響するのか
- なぜ「内容が良いだけ」では不十分なのか
- 初心者でも見直せる改善ポイント
を、できるだけ分かりやすく整理してみたいと思います。
デザインは「入口のフィルター」になっている
ユーザーは、想像以上に早くWEBサイトを判断しています。これは、ご自身の行動パターンを振り返ってみると分かり易いのではないかと思います。 今やWEBサイトに訪れる経路は検索エンジンやSNS、まとめWEBサイトなど様々です。 インターネット利用者は、様々なWEBサイトの中からできるだけ有意義なWEBサイトを見つけようとしています。 そのため、
- どこを見ればいいのか分からない
- 情報がごちゃごちゃしている
- スマホで見づらい
- なんとなく古い印象がある
こうした小さな違和感が積み重なると、ユーザーは内容を読むことなく瞬時に離脱してしまいます。 つまり、比較される前に“候補から外される”のです。 つまり、ユーザー行動の前提として、
ユーザーは「悪いWEBサイト」を比較していない
という点です。多くのユーザーは当たり前のように
- 内容を読む前に
- 価格を見る前に
- 実績を確認する前に
パッと見た瞬間の「見づらい」という印象だけで簡単に離脱してしまうことが、多くのデータから明らかになっています。 これは非常にもったいない状態です。
多くのWEBサイト担当者は、「もっと伝わる文章を書こう」「SEOに有効な文書を盛り込もう」と考え、日々WEBサイトを更新しています。
もちろん、それはとても大切なことです。上記のようなことを通じてWEBサイトは成長し、魅力的になっていくものです。
しかし実際には、その前段階で
“そもそも読まれていない”
ケースがかなり多いのが実情なのです。
だからこそ、WEBサイトにおけるデザインについて、考えを改める必要があります。デザインは決しては装飾ではなく
評価される(=読まれる)土俵に立つための前提条件
なのです。
デザインがユーザーに与える3つの影響
ここからは、WEBサイトにおけるデザインがどういった役割を果たしているのか具体的に見ていきます。
① 信頼感を作る
人は、情報の中身を見る前に “見た目”で信頼できるかを判断しています。
例えば、
- フォントがバラバラ
- 配色に統一感がない
- レイアウトが崩れている
- ボタンのデザインが統一されていない
こうした状態だと、それだけで
- 「この会社、大丈夫かな…」
- 「なんとなく不安…」
という印象になります。
逆に、
- 情報が整理されている
- 余白にゆとりがある
- デザインに一貫性がある
だけで、
- 「しっかりしている」
- 「信頼できそう」
- 「丁寧な会社っぽい」
という印象を持ってもらえます。
実際、先ほどの調査でも、40代以降では“見やすさ”や“印象”を重視する傾向が強く見られていました。
ここで大切なのは、WEBサイトのデザインが与える印象を通して、ユーザーは人格を読み取ろうとする、という点です。
デザイン=企業の人格
ユーザーはWEBサイトの完成度から、 「この会社はどんな仕事をするのか」を無意識に想像しています。 つまりWEBサイトのデザインは、会社の“第一印象”そのものなのです。
② 理解スピードを左右する
ユーザーは、基本的に文章をじっくり読みません。
特にスマホでは、
- スクロールしながら
- 気になる部分だけ見て
- 必要そうなら読む
という行動がほとんどです。つまりWEBサイトに求められるのは
内容を「一瞬で理解できるか」
なのです。
ここでよくあるのが、ユーザーにできるだけ多くのことを伝えたいと思うあまり、“情報を詰め込みすぎる“という状態に陥ることです。
例えば、
- 文章が長すぎる
- 改行が少ない
- 見出しが弱い
- 強調がない
- 余白がほとんどない
こうなると、ユーザーは内容以前に
「読むのしんどそう…」
と感じます。
こういったネガティブな印象から、ユーザーは離脱してしまいます。
これは内容が悪いのではなく、
**“読むためのエネルギーが必要すぎる”**状態です。
逆に、
- 見出しだけで内容が分かる
- 適度に余白がある
- 大事な部分が視覚的に強調されている
と、ユーザーは「ストレスなく読めそう」と感じ、結果としてぺージを読み始めるのです。
つまりデザインは、
理解に必要なコストを下げる仕組み
なのです。
③ 感情(欲しい・気になる)を生む
最後は、少し感覚的な部分です。
人は論理で比較し、感情で決定するとよく言われます。
これはECWEBサイトやLP(ランディングページ)で特に顕著です。
例えば、
- 写真の印象
- 配色
- 余白
- フォント
- コピーの配置
こうした要素が組み合わさることで、
- 「なんか良さそう」
- 「使いやすそう」
- 「ちょっと欲しいかも」
という感情が生まれます。
逆に、どれだけ性能や価格が優れていても、
- 古く見える
- 安っぽく見える
- ごちゃごちゃしている
だけで、興味を持たれないことがあります。
ここで重要なのは、
デザインは“欲しい理由”ではなく、“欲しくなるきっかけ”を作る
という役割を持っていることです。
ユーザーは、理屈だけではなく、感情が乗っかって初めて次の行動に移ります。 デザインは、ユーザーの感情を動かすというとても大切な役割を担っているのです。
年代によってデザインの影響は変わる
実は、デザインの感じ方は年齢層によってかなり変わります。
これは実務でも非常に重要なポイントです。
若年層(20代)
20代は、SNSや動画アプリに慣れている世代です。
そのため、
- 情報処理が速い
- 比較に慣れている
- 必要な情報だけ抜き取る
という特徴があります。
この層は、デザインそのものよりも、
- 情報量
- 分かりやすさ
- コスパ
- 口コミ
を重視する傾向があります。
つまり、
“中身が強ければ多少デザインが弱くても成立する”
ケースがあります。
ただし逆に、
情報整理が下手なWEBサイトにはかなり厳しいです。
「探しづらい」「テンポが悪い」と感じた瞬間に離脱されます。
中年層(40代〜)
40代以降は、比較的慎重に判断する傾向があります。
特に、
- 失敗したくない
- 怪しいサービスを避けたい
- 安心して選びたい
という心理が強く働きます。
そのため、この層にとってデザインは、
“安心材料”
になります。
例えば、
- 文字が読みやすい
- 情報が整理されている
- 会社情報が明確
- 実績が分かりやすい
だけで、安心感につながります。
逆に、
- 古いデザイン
- スマホで見づらい
- 情報が散らかっている
と、不安を感じやすくなります。
つまり、
“信頼できそうに見えるか”
が非常に重要なのです。
「ダサい」より「分かりにくい」が危険
多くの人は「オシャレかどうか」を気にします。
しかし実際にユーザーが離脱するきっかけとなるのは、多くの場合
“分かりにくいこと”
です。
つまり最優先すべきなのは、
- 迷わない
- 読みやすい
- 理解しやすい
状態を作ることなのです。
すぐに見直せる改善チェックリスト
最後に、初心者でも確認しやすいポイントをまとめます。
最低限チェックしたい5項目
① 3秒で「何のWEBサイトか」が分かるか
トップページを開いた瞬間に、
- 何の会社か
- 誰向けか
- 何を提供しているか
が伝わる状態が理想です。
② 見出しだけで内容が理解できるか
ユーザーはまず見出しを読みます。
見出しだけ追っても流れが分かるようにすると、
読みやすさが大きく改善します。
③ スマホでストレスなく読めるか
現在はスマホ閲覧が中心です。
- 文字が小さすぎないか
- ボタンが押しやすいか
- 横スクロールが出ていないか
は必ず確認しましょう。
④ 余白がしっかりあるか
余白は“空いているスペース”ではありません。
読みやすさを作るための設計
です。
余白があるだけで、情報は一気に理解しやすくなります。
⑤ 信頼要素があるか
例えば、
- 実績
- お客様の声
- 導入事例
- 運営会社情報
などは、安心感につながります。
特に初めて訪れるユーザーにとって、
信頼材料は非常に重要です。
まとめ:デザインは「伝える力」そのもの
デザインは、単なる見た目ではありません。
- 信頼されるか
- 読まれるか
- 選ばれるか
そのすべてに関わる“入口”です。
どれだけ良いサービスや商品でも、伝わらなければ存在しないのと同じです。
だからこそ今の時代、
デザインは装飾ではなく、「伝える力」そのもの
と言えるでしょう。
そして、WEBサイトにおける「良いデザイン」とは、
美しいものではなく、ユーザーが迷わず理解し、自然に行動できる状態を作りだすこと
Webサイトは、眺めて楽しむための作品ではありません。
ユーザーが情報を探し、理解し、行動するために「使うもの」です。
どれだけデザインが洗練されていても、使いづらかったり、何を伝えたいのか分からなかったりすれば、ユーザーはそこで離れてしまいます。
逆に、派手さはなくても、迷わず使え、必要な情報にすぐ辿り着けるサイトは、それだけで大きな価値をユーザー感じてもらうことができます。
現在、自分のWEBサイトに悩みをお持ちなら、まずは“見た目”ではなく、“伝わり方”そして“使いやすさ”から見直してみてください。きっと、今まで見えていなかった改善点や可能性が見えてくるはずです。
