ホームページ制作を業者任せにしない

ホームページの開設についてご相談をいただく際、まずご要望をお聞きすることが多いのですが、その際にデザインの話に終始するケースは珍しくありません。

「こういう雰囲気がいい」 「おしゃれなサイトにしたい」 「この会社みたいなデザインにしたい」

もちろん、見た目は重要です。しかし、自分がインターネットで商品を購入する際に、デザインが綺麗なホームページを最優先で探すでしょうか。

おそらく多くの方は「デザイン以外の何か」によって、購入を決めているのではないでしょうか。実は、その「何か」こそが、ホームページを通じて伝えるべき事柄です。

最近はAIやノーコードツールも普及し、以前よりホームページ制作のハードルは下がりました。

しかし実際には、設計、情報整理、導線、文章、運用など、制作から運用にいたるまで、どこを切っても専門性が必要な領域ばかりです。

そのため、ホームページの開設を考える事業者にとって、ホームページ制作は、今も専門家と一緒に進める場面が多いでしょう。

ただ、専門家へ依頼することと、考えることを手放すことは別です。

「餅は餅屋」と考え、制作への関与そのものを手放し、制作に関わることをすべて制作会社へ丸投げしたり、理解できる部分だけ要望を伝え、それ以外の本質的な部分については回避していては、満足度の高いホームページにはなりません。

ホームページ制作は、依頼者側の積極的な関与なしでは、本来成り立たないプロジェクトなのです。


見える部分ばかり話しても、ホームページは作れない

ホームページ制作の相談では、色やデザイン、参考サイトの話が中心になることがあります。

一方で、

  • 誰に来てほしいのか
  • なぜ選ばれているのか
  • 問い合わせ後にどうなってほしいのか
  • 競合と何が違うのか

こうした話になると、急に会話が止まる場面も少なくありません。

厳しい言い方をすると、これは考えるべき部分を後回しにし、見えやすいデザインの話へ逃げ込んでいるように感じてしまいます。

デザインは目に見えます。自身の好みも含めて良し悪しが言いやすい分野です。

その一方で、事業の強みや顧客理解、目的整理は、頭の中を言語化しなければなりません。だから難しい。

しかし、こういった難しい部分こそ、ユーザーが知りたい情報につながることは少なくありません。ここが不足したまま制作を進めると、ホームページは「何となく整っているけれど成果につながらないもの」になりやすくなります。


役割を明確にして制作に積極的に関わろう

ホームページ制作は、制作会社だけで完成させるものではありません。

しかし、ホームページ制作には専門的な知識が多く必要になることも事実です。そのため、要望を伝えることに尻込みしてしまうこともあるでしょう。

そういった状況を回避するためには、事前に制作側と依頼側の役割を明確にしておくことが必要です。それぞれがどういった形でホームページ制作に関わるかを共有しておきましょう。

それぞれの役割の例

【制作側が担うこと】

  • 設計
  • デザイン
  • 実装
  • 技術的な判断
  • 表現方法の提案

【依頼側が担うこと】

  • 事業理解を共有する
  • 強みを言語化する
  • 顧客像を整理する
  • 優先順位を決める
  • 判断をする

後者は、依頼側しか持ち得ない情報です。

通常、制作会社は事業を深く理解しようと努力しますが、現場の感覚や顧客との接点まで完全に把握できるわけではありません。ユーザーの目を引いたり、深く納得させたりするものを書くことは至難の技です。

だからこそ、依頼側の大切な役割として、依頼側でしか知り得ない情報を徹底的に洗い出し、制作側へ漏れなく伝えることが重要なのです。


制作を依頼する側が果たせる役割とは?

依頼側ができることは意外と多くあります。

情報を出す

まずは、自社の情報を制作側に伝えることが挙げられます。

制作会社は、情報がなければ設計できません。

  • よくある質問
  • 実際の顧客の声
  • 商談時によく説明する内容
  • よく比較される競合
  • 過去の失注理由

こうした情報は、ホームページを設計していくうえで、とても重要な材料になります。

判断する

「誰向けか」「何を優先するか」といった事柄は、制作するホームページの方向性を決定するために避けることのできない項目です。

この部分が的外れだったり、ページによってまちまちだったりすると、誰にも読まれないホームページになりがちです。

制作側に任せるのではなく、要望としてまとめ、業者に伝えるようにしましょう。


ホームページに必要なのは「分かりやすさ」×「信頼」

ホームページで重要なのは、言いたいことが正確に伝えられているかどうかです。

ユーザーが見ているのは、

  • 自分に関係ある会社か
  • 信頼できそうか
  • 問い合わせても大丈夫そうか
  • 情報が整理されているか

といった部分です。

こういった事柄をきちんと伝えるため、次のようなことは避けた方がよいでしょう。

  • 伝えたいことを詰め込みすぎる
  • 書きたいことを並べる
  • 情報を足し続ける
  • 説明なく専門用語を使う
  • 業界内の常識を前提に書く

こういった内容が多くなるほど、そのホームページは読まれる機会を失ってしまうでしょう。


信頼は一朝一夕に作れない。継続してホームページを成長させよう

本記事では、ホームページの制作過程において、依頼側はどういった形で関わることができるのか、どういう関わり方をすれば成果を上げるホームページを作ることができるのか、という点についてまとめました。

実際のところ、ホームページは公開後も、

  • 情報を更新する
  • 実績を追加する
  • FAQを増やす
  • 問い合わせ内容を見直す
  • コンテンツを改善する

といった積み重ねが欠かせません。

その意味で、依頼側の役割は、公開している限り続きます。

だからこそ、制作段階で自分達の役割を整理しておくことは、公開後に必要となる運用や改善をイメージすることにもつながります。

ホームページ制作では、制作会社に専門性を求めることは重要です。ただ同時に、依頼する側も「考える責任」を持つ必要があります。

難しい部分から逃げずに向き合うこと。

それが結果として、成果につながるホームページへ近づくのではないでしょうか。

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